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「バーベキュー、私したことない」
だいぶ外したタイミングで麗ちゃんがポツリ。
「マジっすー!? 」
「何をするの?」
「主に、肉を焼いて食う。一緒に行きます? 今度」
「そうね、楽しそうだわ。私、火を起こすの得意なの」
…………もう、誰も何もつっこまない。
「でも、野生動物って、火が苦手らしいのよね」
「……麗佳さんは、野生の動物を焼くおつもりですか?」
「背に腹はかえられない場合は、そうね」
「ワニは、顎の力が強いですが、開く時の力は弱いので、閉じてるうちに掴むといいらしいです」
「そうなの、覚えておくわね」
真子ちゃんの眼鏡をかけた桐秦と、麗ちゃんの謎の会話。誰もつっこまない。
かと、思いきや……
「どこで、バーベキューするつもりなんすか?」
意外とまともで優しい筑波が真顔でつっこんだ。
「おい、年中バーベキューやってる施設どこ」吉良は、麗ちゃんの為に筑波から情報収集。
麗ちゃんの“やってみたい”を叶えるのは、この男の仕事だ。
「やっさしぃ、吉良さーん」
横浜が可愛い顔で吉良の肩にもたれた。吉良は男に触られるのはOK。
いつの間にか、部屋から出ていたのか、るなちゃんの声が遠くの廊下から聞こえた。
「ギャー! な、な、ど、どうしたんですか、悠さん!!」
悠さん?宮さんどうかしたのか……?ただごとではないるなちゃんの声に、全員が口を閉ざし、そちらへ耳を傾けた。
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