番外編 その3

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「バーベキュー、私したことない」 だいぶ外したタイミングで麗ちゃんがポツリ。 「マジっすー!? 」 「何をするの?」 「主に、肉を焼いて食う。一緒に行きます? 今度」 「そうね、楽しそうだわ。私、火を起こすの得意なの」 …………もう、誰も何もつっこまない。 「でも、野生動物って、火が苦手らしいのよね」 「……麗佳さんは、野生の動物を焼くおつもりですか?」 「背に腹はかえられない場合は、そうね」 「ワニは、顎の力が強いですが、開く時の力は弱いので、閉じてるうちに掴むといいらしいです」 「そうなの、覚えておくわね」 真子ちゃんの眼鏡をかけた桐秦と、麗ちゃんの謎の会話。誰もつっこまない。 かと、思いきや…… 「どこで、バーベキューするつもりなんすか?」 意外とまともで優しい筑波が真顔でつっこんだ。 「おい、年中バーベキューやってる施設どこ」吉良は、麗ちゃんの為に筑波から情報収集。 麗ちゃんの“やってみたい”を叶えるのは、この男の仕事だ。 「やっさしぃ、吉良さーん」 横浜が可愛い顔で吉良の肩にもたれた。吉良は男に触られるのはOK。 いつの間にか、部屋から出ていたのか、るなちゃんの声が遠くの廊下から聞こえた。 「ギャー! な、な、ど、どうしたんですか、悠さん!!」 悠さん?宮さんどうかしたのか……?ただごとではないるなちゃんの声に、全員が口を閉ざし、そちらへ耳を傾けた。
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