第1話 side yu

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中学へ入ると、兄貴を知ってる上級生からも声を掛けられる事が多くなり、誰が言ったのか、誰かの噂か、入学式に朋子の母親と俺の母親が一緒に行ったもので、俺達も必然的に一緒にいた。 そのせいか……とにかく、矛先はいつでも朋子へ向いた。バカらしい。いくら俺がそう思っても関係無かった。 小学校の頃は羨望だった俺のルーツも、中学へ入ると嫉妬へ変わって行った。外国の血が入ってるから、当たり前。何度言われたか。 容姿に恵まれた事も、当たり前。モテる事も、当たり前。英語が出来る事も、当たり前。運動も、勉強も、全部、当たり前。 まるで、人生のドーピングみたいに。そんな事、気にしても仕方がないし、ルーツにプライドは持ってる。悪く言う奴には敢えて、肩を組みに行った。 なんだかんだ言っても、俺と友達になることはステイタスのように思っている奴が多かったから。それを、利用したまでの事。中学生なんて、そんなもんだった。 俺はそれで良かった。楽しかったし、全く気にしない。しても仕方がないし。 だけど……朋子の事は……。
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