第15話 side yu

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「いや、仕事じゃない。上、行ってくる」 仕事じゃない……だと!? 「ちょ……マジ? プライベート? イヴに?」 途端に佳子ちゃんが固まる。 「暇なら、今手伝え」 そう言った結城とフロアを出た。営業のフロアを出たら、直ぐに聞いた。 「お前、誰と過ごすんだよ」 「“彼女”」 「……彼女……出来たのか?」 何考えてんだ、こいつ。 「いや、この前の“彼女”。断るんだよ」 ……ああ、断んのか。 「って、イブだぞ、今日!」 「ああ、俺もさっき気づいたとこ、だ」 本当、何考えてんだ、こいつ。 「あのなぁ……お前」 「分かっている」 分かってる?とてもそうは思えない。イブに振るのもひでぇし、イブに誘わないで、他の女性との予定を入れるのもひでぇし、色々。 何を『分かっている』のか、俺には分からねぇ。まあ、仕事はちゃっちゃと終わらせて帰るか。 あっちの二人は……何とかなるかもしんねぇしな。潔癖な吉良と、誰より清潔感のある麗ちゃん。考えてみれば、妙にしっくりくる。軽薄そうに見えても、あいつはとても人を大切にする。
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