第1話 side yu

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時は、記憶が曖昧になってるくらい、遡る。母親の同級生で親友の子供。母親はこの同級生がいるからこそ、この場所での永住を決めた。 俺が小学校へ入学する少し前の事だった。6歳になるか、ならないか、くらい。 第一印象は、“ちっちぇ”3つ下の妹……よりは上か。 「裕仁くん、3月生まれ?じゃあ、私の方がお姉さんだね」 そのちっちぇえヤツがそう言った。 は?年上? 「朋子と裕くんは同級生だからね」 その子の母親がそう言った。 「おっきいね、牛乳好きなの?」 「牛乳飲んでデカイわけじゃないよ」 「ママ! 牛乳飲んだら大きくなるって嘘なの?」 「裕くんはパパが大きいからね、遺伝じゃないかな」 「“いでん”て、何?」 「裕くんは外国の血が入ってるの」 ああ、そうだな。だけど……子供は案外気にしない。違う事には敏感で、すぐに口に出すけれど 違うからといって…… 「イケメンだ!」 朋子は嬉しそうに言った。 「イケメンだね!」 朋子の母親も嬉しそうに言った。 うちの母親が吹き出した。 「瑶子(ようこ)の遺伝子!」 負けじと朋子の母親が言い返す 「睦仁さん選んだ彬子(あきこ)だって、イケメン好きでしょ!」 まぁ、全然気にしてないな。誰も何も。
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