いつかのいつか side yu

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いつかのいつか side yu

「ねえ、あそこに新しいお店が出来るんだって」  朋子が言った。 「ああ、佳子ちゃんが言ってたとこな」 「そうそう。佳子ちゃんが言ってたところ」  ……佳子ちゃん、どこでも言ってんだな。苦笑いして、朋子は行きたいんだろうかと顔を窺う。 「行きたいのか? 」 「んー、すごい人だろうしね。並んでまではどうだろう。まぁ、初日は避けてそのうちって感じかな」 「だな」  だよな、朋子はそんな感じだ。  そのつもりだったが、ふらっと出かけた時にその列を目にした朋子が 「あ! &(エスペルットゥ)! 今日だったね。あー、甘いの食べたくなっちゃったな」  そう言い出したから、 「並ぶか」ってことになった。  列は随分長かった。俺はデカイ。だから似たような背の奴はつい見てしまう。一人、二人。  前の方に並んでる結城に吹き出しそうになって、いや、朋子はすでに笑っていて、 「佳子ちゃんさすがあ」と感心していた。  佳子ちゃんもさすがだが、付き合う結城もさすがだ。出会った当初から思えば信じられないような気持ちになる。ここから見ていると、佳子ちゃんだけが話しているように見える。だけど、あいつにしては随分柔らかい表情で、結婚するなんて言い出した時はどうなることかと思ったが、本当に夫婦になったのだから、わかんねえもんだ。  
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