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「男に捨てられたその日に犯されるってどんな気分?」
ズンッ、最奥を突き上げられて声にならない声を上げる。
男はそんな私を心底愉しそうに見下ろしながら「大体さぁ」と、薄い唇から軽薄な声を零す。
「もっと不幸になんなきゃ“幸せ”なんて味わえねーよ?」
「…っぅ…っあ゛」
ぐぐぐ…っと喉元の中心にねじ込まれるように食い込む親指。
さっきよりも酸素が遮断されて、意識が朦朧としてくる。
「…安心しろよ。こんなんじゃ死なねぇから」
温度を持たない冷たい声。その声が鼓膜を揺らすだけで、何故かずくんずくんと下半身が疼く。
「…っぅ……ぁ、」
「…つーか、お前のその苦しんでる顔、想像以上にクるんだけど」
だらしなく口を開けたままボロボロと涙を流す私を見下ろして鼻で笑った男は、そう言うと共に私の首元からふっと手を離した。
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