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おくる。
B「ホットドッグなんて安物でよかったのかよ」
A「ホットドッグが好きなんだもの。好きな物を贈るのが一番でしょ」
B「好きな物、ねぇ」
A「そうよ。そこの公園でアンタと半分こして食べたでしょ」
B「そんなこともあったなぁ」
A「あそこの路地にあるベンチ。あそこでアンタのお父さんとお母さんと三人で並んで食べたこともあるのよ」
B「へぇ」
A「そこのスーパー。昔は安くてボロボロのアパートがあってね。そこにアンタのお祖父ちゃん、お父さんと私の三人で暮らしてたのよ」
B「知らなかった」
A「日曜の朝、三人で礼拝に行ったあと。ランチはホットドッグを食べたのよ。……まぁ、アンタのお父さんに彼女ができてからは三人で礼拝に行くこともなくなっちゃったけど」
B「……」
A「アンタも最近、彼女できたって?」
B「う、うるっせぇな! 関係ないだろ!」
A「ハハ、イッチョマエに照れちゃって! アンタのお父さんは私似だったけど、アンタはお祖父ちゃんに似てるからね。顔だけならモテるわよ」
B「……顔だけって」
A「中身は自分でなんとかしなさい。――ほら、そこの十字路。前はあそこでもホットドッグを売ってたのよ」
B「へぇ」
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