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第3劇 新たな出会いとは何かの予兆。続
2人組は10代前半の少女と少年だ。
私はただその光景を見ていた。
「だからねぇ!!!何回言ったらわかるんだい?!」
「たったそれくらいで怒るなって、ケチだなぁ!!!」
「たったそれくらいじゃないよ!!!こっちはやっとの思いで
手に入れたお茶を飲まれたんだよ?!」
「別にまだあるから1つくらい、良いじゃないか!!!」
「何でもかんでも勝手に自分の物にすんじゃないよ!!!
これを言うのも何回目だか!!!」
どうやら少年が少女の貴重なお茶を飲んだらしい。
お茶じゃなくてもよくある事だ。いつになったら終わるのかと
思っていると。壱弐参が2人に近づき口争を止めに入った。
「お二人さん、そろそろ喧嘩は辞めとしませんか?
今日は珍しいお客人を連れてきたんですよ。
ささっ、その辺で」
と言うと2人は口争を辞め
許した訳では無いからねぇ!!!と最後に言い、とりあえずは
静かになった。壱弐参が自己紹介をするように進めて
少女はこひな、少年は楽太と言う名前だと知った。
自己紹介が終わると、一旦用事があるので今はこの辺で
と壱弐参に言われ、こひながじゃあまた!と言って
楽太と奥の方に消えていった。
それから建物を出て、壱弐参に連れられて着いた場所は
先程と同様アンティーク調の建物だ。大きな館の中は
とても広く、ドラマなどでしか見たことの無いものだった。
建物内を見回していると、ではお部屋を案内しますねと壱弐参が言いついて行った先で思ってもいなかったことを
告げられた。
「建物の外見から見てお察しと思いますが、今から貴方と
私は主従関係となりますので、改めてよろしくお願いします。
・・・鈴音様。」
壱弐参さんが執事で私がお嬢?えっと・・・え?
この私がお嬢ですか。人生でそんな話考えたことも・・・あ
死んでいるんだった。流石の私もこれには動揺してしまう。
壱弐参はとてもニコニコしている。初対面の時と同じ様に。
そしてやはり彼はくふふっと笑い。
「鈴音様、主従関係とは素敵で不思議だと思いませんか?
私、ワクワクしてます。とても。」
そしてここから全てが始まったのだった。
私と彼の不思議な日常が。
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