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第4劇 主従関係とは嬉奇の始まり。
私は今
何故か分からないが、広間のど真ん中で壱弐参の
着せ替え人形状態となっている。あれから壱弐参はずっと
ニコニコしていて急に、お嬢と言えば・・・お洋服!と叫んで
どこに行くのやらと思っていたら少しもしないうちに用意
していたのであろう洋服が掛かったハンガーラックを
手に戻ってきて、次に隣の部屋から椅子を持って来ると
椅子に座るように指示した。
壱弐参は次にはもう、喋りだしていた。
「鈴音様は、紫髪で赤目なので・・・はい!そうしましょう!」
しばし悩んだ後、決まったようでハンガーラックに
掛かっている洋服を見て、これにしましょうかねぇ・・・と言い
私に洋服と黒いタイツを渡してきた。洋服はシンプルな
赤いワンピースに黒いリボンが胸元についた可愛いらしい
ロリータ服だった。今の私の服装はパーカーにスカートで
お嬢とはかけ離れた服装だ。
壱弐参が、着替え終えたら声をかけてくださいと言い
壁側を向いた。着替えようとしたら、何か言い忘れたのか
こっちを向きこれも渡しておきますと言われ受け取ったのは
黒いリボンがついたカチューシャと赤いストラップシューズ
だった。そして着替え終えると言われた通り、声をかけた瞬間こちらを見てぱあっと表情を輝かせて
「すごくお似合いですよ!鈴音様!可愛らしいです!」
と言って嬉しそうにしている。ここで何故か私の脳内に
ある事が思い浮かんだ。生前の世界での私の存在は
どうなっているのかと。壱弐参に聞いてみると、存在して
いなかった事にしましたのでご安心ください。と言われた。
では次のことをしましょうかと言われたと同時に
館の中に呼び鈴のピンポーンという音が響いた。
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