手紙

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 私は目ん前が真っ暗になってしもおた。さらに、もしかしてと思って綾香(あやか)()ーてみると、彼女もお前から貢ぎもんを受けているとゆうやないの。驚きの後に、心の奥底からふつふつと怒りが沸き起こってきて、私を真っ赤に染め上げたんよ。  お前が貢ぎもんの見返りに何をねろおておったかはわからん。どうせ乙女の大切なものを盗んで行こうとでもしとったんじゃろおが、それは永久にお前のもんにはならんけぇね。おあいにく様じゃ。  考えてみりゃあ、そもそもお前の貢ぎもんの方法があやしいもんじゃった。家族の誰かがお前のてごをしとるんやないかと思おたこともあったけど、私の大切な家族がお前なんかのぐるのはずがないけぇね。  だとすりぁあ、お前は他人の住居への不法侵入を犯しておったんじゃ。重罪じゃ。侵入のとき、無防備で無警戒だったはずのうちに手を下さんかったこともお前の悪事をちいとも軽うするもんじゃあないけぇね。  とにかく、お前の二股、三股が露見した以上、お前との関係を根本から改めなきぁあいけん。うちは決めたけぇ。お前からの貢ぎもんなんて、受け取るのを、もうやめてやるんじゃ!   そおじゃけぇ、今夜はうちの枕元に靴下は置かんのよ。この手紙を読んだら、持って来た貢ぎもんをそのまんま提げて、すごすごとわがたに()ぬりんさい。  ふん! あか ちょこ べえ じゃ。               終わり   
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