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手紙
うちは怒っとるけぇね。
いいや、怒っとるちゅう言葉じゃあ足りん、ぶち怒っとる。ばり怒っとる。
本当はお前に面と向こおて罵倒してやらんといけんけど、お前はうちとまともに顔を合わそうとせん卑怯もんじゃ。しょうがないけぇ手紙で伝えちゃる。お前がこの手紙を読むじゃろうことはわかっとるけぇね。
思やあ、うちは愚かじゃった。あやうくお前にお礼の手紙を書くところじゃった。
じゃけど、天網恢恢疎にして漏らさずじゃ。お前の悪事はあっさり露見してしもおたよ。うちだけやのうて他の女にも貢ぎもんをしとったんじゃね。よりにもよってうちの親友に。どうせ、気付かれんと高を括っとったんじゃろお。
きっかけは偶然じゃった。未祐と話していた時、ふと、貢ぎもんの話になったんよ。そして、貢ぎ主としてお前の名前が出て来た時、うちがどんだけ魂消たことか。
はじめんうちは信じられんかった。でも、未祐を問い詰めてもお前で間違いないとゆわれたんよ。しかも、定期的に貢ぎもんを受けとると。そして貢ぎもんの時期も私とぴったり重なっとった。
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