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「ねぇ、もう一度確認だけど、本当に私に何か隠してることないの?」
僕は、ニュースの内容と今日感じた二つの違和感を思い出す。確信は持てないが、おそらく頭によぎった出来事は真実であることを悟った僕は床に膝をつく。
「う、浮気してました。申し訳ありませんでした。許してください」
「謝らなくていいのよ。今あなたはちゃんと本当のことを話したのだし、悪いのは私から大切なものを盗んだ泥棒猫の方よ。でも安心して、もういないから」
「もう浮気なんてしません。弘美以外の女の人と会ったりもしません」
インターホンの音が鳴る。弘美が玄関へ向かう。
「じゃあ、待っててね。行ってくるから」
僕は、このときの弘美の笑顔を死ぬまで忘れることができなかった。
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