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「ただいまぁ~」
タケルがいつもの時間に帰ってきた。
靴を脱ぎながら、
「ユウコぉぉ、さっき公園に行ったら…」
とタケルが泣きそうな声で話し始めようとしていた。
「猫ちゃん、いなかったでしょ」
ユウコは、ニヤニヤしながらタケルの様子を見ていた。
「そうなんだよ。1匹もいなかったんだ。俺、もっと早く救ってやれば」
タケルが靴を脱ぎ終えユウコと向かい合った。
ユウコのエプロンのポケットに、片目の開いていない子猫がまるでカンガルーの子供のイラストのように収まっていた。
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