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子猫は、幼い顔をピョコンとポケットから出し、タケルの顔を見た。
「…猫ちゃん!?あの猫ちゃん!?ユウコ!?」
あまりにタケルが驚きと喜びを隠しきれていないのでその挙動がおかしく、ユウコは笑った。
「そうだよ。あの猫ちゃん。私がエプロンかけたら、このポケット見つけて、入ったっきり。ずっとカンガルー状態なの。」
「くぅぅぅ!!!さすがユウコ!俺はわかってたよ!いやーー、ようこそ、我が家へ!」
ハイテンションのままタケルは子猫の小さな頭を指で撫でた。
ゴロゴロゴロ
「!?ユウコ!猫ちゃんから変な声出てる!」
ユウコはタケルの猫知識の無さにまた笑ってしまった。こんなに知識がないのに、あんなにこの猫達を心配していたのだ。
「タケル、猫のゴロゴロはね、気持ちいい時とか、甘えてる時に出る喉の音なんだよ」
「まじか!俺、この子に甘えてもらえてるのか!うれしいなぁ~~~」
タケルは顔をくしゃくしゃにして、少し泣きながら、エプロンのポケットに収まっている子猫を愛でた。
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