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翌日朝、ユウコは職場に電話を入れ、辞めざるを得ないことを伝えた。
どんな反感をかったとしても、子猫を育てられるのは私しかいない。
あの母猫に誓ったのだから。
お金的にはタケルの給料だけでも生活はできる。
タケルはもともと子供ができたらユウコには専業主婦になってもらいたいと思っていた。
それもあって、子猫のためにユウコが仕事を辞めるのはタケルにとって当たり前の流れだった。
ユウコは朝起きて子猫のためにカリカリを柔らかくし、抗生剤を砕き餌に混ぜ、目薬をさした。
それを1日4回。
今日はタケルが仕事帰りにしっかりと猫に必要なものを買ってきてくれる。
砂、トイレ…
日中、子猫は眠っていることが多かった。
リビングのソファの上に小さな毛布を敷いてやるとそこを気に入り乗っかってうとうとしたり、くしゃみをしたりしていた。
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