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「その間、別の男にあげたこともあったかと思ったらそいつがめっちゃムカつくけどな」
少しムスッとしたあと、チョコレートの箱を開けてふっと笑顔になる。
「恥ずかしいけど、正直な気持ちだから.......」
ハートの形に「大好き」と書かれたチョコレート。
メッセージはなににしようかと考えたけど、これ以外に考えつかなかった。
「俺も」
「ん?」
「大好き、心海のこと」
チョコレートをテーブルの上に置いて、あたしのことをぎゅっと抱きしめる。
「このチョコみて、いままでもらえなかったことも他のやつにあげてたかもしれないことも、全部吹っ飛んだ」
「うん、あたしも。暁が喜んでくれて、全部綺麗になくなったよ」
いままで、ずっと。
記憶がない誰かのことを好きで好きで仕方がなかった気がする。
でも、いまそんな相手とこうして一緒にいる。
渡せなかったチョコレートもこうして、喜んでもらえている。
こんな幸せなこと、これ以上ないかもしれない。
これ以上のことを望んだらバチが当たるね。
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