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「ようこさん」
「なに?」
何か胸につっかえるものがあって、どうにもすっきりしなかった。
施設に帰ると、ようこさんが夜ご飯の準備を始めていた。
「牧野紅葉って知ってる?」
私の質問にようこさんの顔がこわばった。
滅多にないそんな反応に何かいけないことをしてしまったような気持ちになり、空気を変えようとはは、と笑う。
「ようこさんその人のこと嫌いだった?ごめんごめん」
「そ、そうじゃなくて」
「部屋戻るね~」
無理やりに話を終わらせて足を部屋に向ける。
廊下の角を曲がろうとした時、ようこさんの声が聞こえた気がした。
「どうして・・・」
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