第9章 愛しいという心

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─エピローグ─  雫は和樹に連れられて大きな水瀬の家の前に訪れていた。そこには和樹の母、奈美もいると聞いて緊張はMAXに達しそうだった。 「雫、2人とも言い出したら聞かなくて悪いな、ほんとに」 「だ、大丈夫です」  この日のために用意したお菓子を持った和樹は何度目かになる言葉を言っていた。雫は正直そんな和樹を構う余裕もなく、奈美に渡すために用意した花束を抱きしめていた。 「じゃ、行こう!」 「はい」  天気の良いその日、冬なのにポカポカ陽気の中、雫は大きく足を踏み出した。  その日の陽気はまるでこれからの雫と和樹の未来を占っているようだった。2人は力強く歩き出す。  ─────光をその手に掴む為に。そう、そこには光が満ちている。 本編・END
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