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それを聞いてから、僕は怖くて暗室に入れなくなった。
田中さんに、焼きあがった数枚の写真を見せると、着物姿で微笑んでいるその女性が叔母だといった。
遊んでいる子供たちは、田中さんのお父さんだと言って、満足して帰っていった。
野村さんも、出来上がった写真を満足して帰っていった。
半分ほどのデータは西島さんによって消されたが、それも許可を得てのことだったようだ。
僕は、それから数年後に就職を機に店を辞めた。
地元も離れてしまったから、店や暗室が今もあるかどうかは知らない。
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