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「ダメじゃないか。人の趣味を勝手に覗いては。それとも、君にもそういう趣味があるのかい?」
声に驚き、持っていた写真を下に落とした。
振り返ると、そこにはニタリと笑っている西島さんがいた。
入って来たことに、まるで気づかなかった。
西島さんは、僕の隣に立った。
「す、すみません」
僕は呟くように謝った。
足がガクガクと震えてくる。
西島さんはバラバラになった写真を綺麗に並べている。
「普通の写真は飽きてしまってね。こういったものを集めるようになったのさ。そうしたら、変なものまで集まって来てしまってね」
「変なものって何ですか?」
「さぁ、私にもわからないよ。ただ、そいつらは一時間を超えると、暗室にいる人に悪さをするんだ。前に仲間がここで、心臓発作で死んでね。その時は、一時間半ぐらいいたかな。困ったものだよ」
「何か対策はしないのですか」
「しているよ。気づかなかったかい?」
西島さんは、そう言って部屋の隅に指を差した。
そこには、三角に盛り塩された小さな皿が置いてあった。
それも四方すべての角に。
「今度お札を買おうと思うんだ。まぁ、ルールさえ守れば大丈夫。安心したまえ」
西島さんはそう言って、黒いカーテンを閉じた。
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