家族

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木材でできた大きめのテーブルは四人分の席があり、 その上には香ばしい焼き立ての香が漂うパンに、ソーセージ、お豆のスープやチーズがずらりと並んでいる。 「すごい!今日はごちそうなんだね」 いつもはパンとスープの質素な食事だが、今日の食事はどちらかの誕生日の日の夕食に近い豪華なものだった。 「そうなの!おにいちゃんなかなか起きなかったでしょ、だから…」 リリムは少しむくれたようにうつむく。 「ごめんね本当に」」 「許すわ。その代わり今日はリリムのお買い物にとことん付き合ってもらうからね。覚悟してお兄ちゃん」 一体どんなものを買いに行くのだろうか。 確かにリリムの買い物はとても長いけれども、今日は特に覚悟しておいた方がいいな、と少し覚悟を決め食事の席に着いた。 「どうかな?今日は久しぶりにパンを焼いてみたの」 「うん!焼き立てでおいしいよ。僕はリリムの料理が好きだよ」 たっぷりとバターの効いた柔らかな小麦パンを頬張りながら僕は率直な感想を伝える。 パンだけじゃなくて、リリムの料理は本当においしい、 今は覚えてはいないがきっとお母さんの料理と似ているのだろう。 とても安心するような味なのだ。 「ほめたって何にもでないわよ」 まんさらでもない顔でリリムは小さく笑った。 とても幼い笑顔だ。
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