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5分でない「5分」
「5分」
私は決して相対性について語りたいわけではない。
それにしてもその時間は何もしないのには長すぎて、何かを成すには短すぎる。
この長い歴史の中で、私の人生なんて「5分」とさして変わらないのだと思う。
そもそも何かが成せたとしてどうなろう
それは「5分」が少しだけよい言葉に置き換わって人々の注目を集めたとしても、時が過ぎれば風化して、きっとまた5分となって、数あるほかの5分のように成り下がってしまうのであろう。
だから私の今からの行動はその宿命に身を委ねるだけのことであって何ら変わったものではない。
等価値でなくとも同等で、イコールで結ばれてしまうこの世の中で、楽しくとも苦しくともあるこの世の中に妥協点を見つけただけなのだ。
ここは4階建ての校舎の屋上。
高さは十分足りている。
そして周りには誰もいない。
そう、止めてくれる声も。
では足りないのは少しばかりの勇気なのか。
そんな話でもないと思う。
これは勇気のいる決断というよりも、単に人生の選択なのだから。
つまりはきっと、この先の希望を捨てきれていないということかもしれない。
情けない。この期に及んでもまだ私は未来に求め、縋るのだ。
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