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まさに血がにじむような歴史をたどったおかげか「魔女狩り」をしていくことで人間への影響は消えつつありそして現代では魔女の存在を普通の人間が知ることは殆どなくなった。魔女の絶滅は目に見えているところまできたのだ。
魔女はそろそろ絶滅する。それをなるべく今の世代で成し遂げたいというのが朝霧家の現当主であり紅緒の父親である義親のすべてをかけての目標だ。
それに従うのは義親の妻であるサクラと子供たち。つまり藤緒、紅緒、雪緒だ。そして今では現役を引退しているが義親の父親である正親と母親のトキもいざという時の戦力として戦うこともある。
正親もトキもすでに八十歳近い高齢だがそれすらも紅の一族には関係ないのだ。自分の身体よりも命よりもまずは「魔女狩り」をすること。そして魔物を多く倒すこと。それが絶対的な決まりになっている。
それだけは昔も今も変わらずその十字架は次期当主を期待されている紅緒にも暗い重りを付けたようにのしかかっている。
紅緒はクラスの中でもとりわけ目立つ存在ではなかったが友達はわりと多いほうで、同じクラスでなくても親しい生徒は数名いた。
自分では暗い性格、根暗で陰気だと思っているのだがどういうわけかよく人が寄ってくる。別にこびているわけでも特別優しくしているわけでもないのだが、小学生のころからずっと紅緒の周りには一定の友達がいてくれた。
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