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その人間の生気を集めそのイキモノたちは自分の「主人」のもとへそれを届けに行く。
何度だって聞かされたし今まで何度か人間の生気が連れていかれるところを見てきた。そのおぞましさは何日も食欲を失せさせた。
いよいよたたずんでいる紅緒を通行人たちが不審そうに見始めた時だった。
「オマエオレガミエテイルダロウ」
ぎろりと赤い目が紅緒をにらみだらしなく垂れている舌がぞろりと肉がついていない唇をなめた。
紅緒は小さくうなづいて「やめろ」と言った。それは人間の品定めをしていることを。そして他のところでも人間に危害を加えるということを。たとえそれが無理だとわかっていても願うように紅緒は言った。
握っている右手の甲がじゅっと熱くなった。それはただ単に体温が上がったのではなく本当に熱を帯びている熱さだ。このまま放っておけば自らの皮膚を焼いてしまうことはわかっていた。
そういう呪いを紅緒はそして紅緒の家族はかけられている。自分たちの仕事をしなければ苦痛を与えるという呪いだ。
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