プロローグ 私が人になったときのこと
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「まさかこんなところにあったとはねぇ」 普段のとぼけた感じからは考えられないような歪んだ笑みを浮かべ、 彼は朽ちた死体が抱えている古びた本に手を伸ばした。 人が来ることのない丘の上にひとつたたずむ墓地の中。 英雄の亡骸と共に永遠の眠りについたはずだった。 二度と開かれることのないはずだったその本は、 ーーーの手によって再び開かれた。 そして、彼の手によって私という存在は書き換えられた。
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