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「みんなぁ! おっはよー!!」
僕と手をつないだまま、メイが声をこだませた。
レイナ先生、ゲンさん、モモカさん、それにハルコ先生まで、穴が開くほど僕たちを凝視している。
文字通りに顔から火が吹くほどに恥ずかしくて、みんなをまともに見ることができない。
そんな僕のことなどお構いなしにメイは続けたのだった。
「わたしたち、死神さんにあらがって恋をすることに決めたの!」
「マジかよ……」
ゲンさんが顔面蒼白でつぶやくと、メイがニコニコしてうなずいた。
「うん! マジマジ!」
しかしゲンさんの意識は、メイには向いていないようだ。
なぜなら彼は僕の肩をがっしり掴みながら叫んだのだから……。
「マジでメイなんかでいいのかよ!?」
………
……
船着き場までテッチャンたちを見送った後は、掃除をすることになった。
やはり大人数が寝泊まりしただけあって、いろいろと散らかっている。
「じゃあ、ジュンペイくんとゲンさんの二人は男子トイレな」
レイナ先生の言いつけで男子トイレに入ったとたんに、ゲンさんは、左の頬をさすりながらつぶやいたのだった。
「おお、いてえ……。ったく、メイのやつ。グーで殴ってくるとは思わなかったぜ」
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