第十四話

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 将来の夢とか、なりたい職業とか、そんなずっと先の未来ではない。  すぐ近くの未来の話だ。だから普通の人にしてみれば、たいしたことではないと思われても仕方ないと思う。  でも死神のそばにいる僕たちにとっては、すごく勇気のいることだった。  それでも未来を話す時のメイの顔は、きらきらと眩しく輝いていたんだ。  その横顔を見るのが、僕はたまらなく好きなんだ。  そんな中だった。    僕にとって二回目の死神チェックの結果を聞く日を迎えた。  事務所に呼ばれた僕は、渋い顔をしているレイナ先生と、普段通りの澄まし顔でお茶をすするハルコ先生に向かい合うように座った。   「単刀直入に言うわね」  そう切り出したのはハルコ先生の方だった。  僕はゴクリと唾を飲み込む。  そして次のハルコ先生の言葉に、僕は気を失ってしまいそうになるほどの衝撃を受けることになるのだ。     「死神チェックの結果が変わったわ」 「え……」  さらりと流れるような口調のハルコ先生に対し、僕は一瞬で固まってしまった。   ――死神にあらがおう。  と強い気持ちでメイと誓い合ったはずなに、いざ「結果が以前と変わった」と告げられた途端に何も考えられなくなってしまった自分が情けない。     
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