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プロローグ
◇◇
拝啓
死神に嫌われてしまった君へ。
君がこの手紙を読んでいる頃には、僕はもう遠くにいると思う。
そして君と僕は、もう顔を合わせることはないだろう。
でも勘違いしないで欲しいんだ。
僕は死神と違って、決して君を嫌ったりなんてしない。
君は僕にとって、いつも輝いていて、美しくて、太陽のような存在だ。
でも今は分厚い雲に覆われ、眩しい陽射しは影を潜めてしまっている。
晴れた日の輝きを思い出して欲しいから、僕は手紙に残すことにしたんだ。
君と出会い、君と過ごした日々の記憶を。
君は覚えてるかな?
一緒に『風景』を探して駆け抜けた日々を。
そして死神にあらがうと誓った大輪の花火を――。
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