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「...そうか。それは良かった。
俺の苦労も報われたな。」
そう、清宮は表情一つ変えずに言い放つと、眼鏡のフレームをクイっと上げる動作をした。
良かったとか言う割に嬉しそうでもなければ、哀しそうでもない。
そりゃ。そう言うよね、清宮はただ俺のあの遊びを辞めさたかっただけなんだから。俺に目をかけていたのだって、清宮なりの慈善活動の一環みたいなもんなんだろうし。
たぶん、捨てられ衰弱しきった猫をほっとけない。とか、そんな感覚だったんじゃないかな。
今は、体力も回復して、里親も決まって、一件落着。良かった、良かった。って、そんな感じ。
「うん。良かったな。じゃ。」
そう、手短に言うと俺は清宮に踵を返す。
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