15. もうシないから...

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「...そうか。それは良かった。 俺の苦労も報われたな。」 そう、清宮は表情一つ変えずに言い放つと、眼鏡のフレームをクイっと上げる動作をした。 良かったとか言う割に嬉しそうでもなければ、哀しそうでもない。 そりゃ。そう言うよね、清宮はただ俺のあの遊びを辞めさたかっただけなんだから。俺に目をかけていたのだって、清宮なりの慈善活動の一環みたいなもんなんだろうし。 たぶん、捨てられ衰弱しきった猫をほっとけない。とか、そんな感覚だったんじゃないかな。 今は、体力も回復して、里親(引取先)も決まって、一件落着。良かった、良かった。って、そんな感じ。 「うん。良かったな。じゃ。」 そう、手短に言うと俺は清宮に踵を返す。
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