1. 日常的な遊び

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先ほど、若菜の口に“モノ”を突っ込んでいた男が発した言葉を思い起こす。 生徒会の清宮だったか。 このいい子ちゃんから見たら、この状況をかなりヤバイと思っているであろう事は、若菜であっても容易(ようい)に想像が出来る。 その固い表情には露骨(ろこつ)に出ていないにしても、内心ではこんな事をしている若菜に無茶苦茶引いているだろうし、軽蔑(けいべつ)している事であろう。 「オイ!大丈夫か?」 と、長身眼鏡の清宮はその固い表情のまま俺に問いかける。 「あーーーうーん、大丈夫。 いつもの事だから。」 若菜が、その問いかけにしれっと返事を返すと、 「いつものこと?」 と清宮は固い表情から一変(いっぺん)して眉間(みけん)にしわ寄せ、怪訝(けげん)な表情を浮かべた。 コイツは、たぶん俺がイジメにでもあっていたと、勘違いしていたのだろう。 無理矢理ヤられてた。って具合に。 実際にΩ(オメガ)の若菜1人に対し、α(アルファ)の男5人だ。 (はた)から見たらそう見えても何らおかしくはない。
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