第1章 出会い、そして別れ

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「はぁ、マジでか、不安しかねぇ。」 亜人の男は呟く。 太陽の魔法騎士はぼろ着の少年、 名はレイズ・ミッチャー。 田舎の教会で警備や神父の真似事を していたと言う。 「僕は嬉しいですよ! 貴方みたいな強い方と仲間になれて!」 亜人の男も又、太陽の刃。 名はウィドル・グラトナ アルガンガル国の中でも 名のある師匠の元で育った戦士だ。 「僕のことはレイとお呼び下さいね!」 レイは亜人ではないが、 それが外に出てるの如く、 尻尾を振っているように感じた。 このレイはウィドルが、 何も答えなくともずっと何かを喋っていた。 ただ、2人は歩き続ける。いや、歩き続けた。 城は見えさえするものの、 全くそこにたどり着かない。 何故だ。 「全然、着かないですね…?」 「おかしい…。」 何がおかしいかって? この橋は今さっき通った。 あの、細工のしてある飴屋は3回も見た。 まるで迷路か?惑わされている。 今日が誕生祭になるかもしれないのだ、 自分達がいなければ成立はしない。 急がなければならない。 「ちょっと、そこの2人!」 ふと、声をかけられた。 そこにいたのはいかにも騎士です。 今すぐにでも戦場に 行けますみたいな格好の女の子がいた。 レイとウィドルは顔を見合わせ、 とりあえず、逃げた。 何故か?時間が無いからだ。 騎士に質問攻めには合いたくない。 「ちょっ! まっ!」 騎士みたいな女の子も、 負けじと追いかけてきた。 「待ってください、待つのです!」 ちょっと怖かった、顔が。 何分かごった返しの城下町を、 鬼ごっこした。 わたくしは、魔法が使えないので~とか、 言いながらも、女の子の足なのに、 魔法を使ってるかの様な スピードと瞬発力、観察力だった。 人がいない路地に入った時、彼女は叫んだ。 「わたくしも太陽のものです! お迎えにあがったのです!」
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