3章 二つの世界と二つの魂

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「こいつに今起きている出来事に関する資料は全てこの部屋に揃っている! つまり、漫画やアニメの世界で起きる出来事であり、現実ではあり得ない出来事が起きているっていうことだ。 つまり、こいつはパラレルワールドに住むツインソウルに会い恋をした。」 ボスの言葉に相方は全てを理解したように深く頷いた。 全く飲み込めない僕の為にボスは説明を続けた。 「パラレルワールドとは今私達がすんでいるこの世界と別の次元に存在する無数の世界の集まりのこと。 他の世界は私達が住んでいる世界とは微妙に異なり、そこに存在するのは私達と同じ顔をしている場合もあるし、人類ですら無い場合もある。 それから私達は本来別の世界に行くことは勿論、見ることも出来ない。 ツインソウルについて 私達は死んだら魂になると考えられている。 また、死んだ魂のゆくえは様々な見解がある。 まずは肉体があって意識は存在するため、肉体無き後は無であるという説。 閻魔様の裁きにより逝く先を決められる六道臨界転生説。 そして、ツインソウルが登場するソウルメイト説。 全ての魂はソウルメイトから旅立ち、生を終えた後またそこに戻る。 ソウルメイトは同じ思想、意志、価値観を持った魂同士のグループのことで、良い魂の集まりもあれば悪い魂の集まりもあり、良い魂のグループは穏やかで明るく、悪い魂のグループは常に争い暗い場所にあるが、良い魂のグループも悪い魂のグループも、それぞれのグループ全体を良いものにすることを目標にしている。 しかし、同じグループに属する魂は皆似ている為にそこに居ては魂の向上を見込めない。そこでグループ内から一つ魂を現世に送り出し、その魂の行動を見守ることでグループ全体の魂も同時に魂の向上を目指すと言われている。 修行に出ていた魂がその学びを終え、グループ内に戻った時、グループでの話し合いが行われて、現世に修行に出る魂が決められる訳だが、この時グループの何らかの目的から、二つ以上の魂を修行に出すという選択がなされる場合がある。 その場合、同じソウルメイトの魂が現世で出会うこともあり得る。そして双子であるかのように感じ、すぐに意気投合して親友になったり、惹かれ合い恋に落ちるケースが多い。 これがツインソウルに出会うということ。
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