<僕>を作っているもの。

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気がつくと彼女が部屋を出てて行く所がみえた 誰も気付いていない。 俺はコッソリと後を追った。 目の前にライトアップされた紅葉。 多分真っ赤に見えるのはライトのせいだと思うが見事だった。 外の音が聞こえるわけでもないのに 目の前で一斉に舞い散る葉っぱに ザーーっと風の音が聞こえる気がした。 花ちゃんは食い入るように見つめていて 後ろの俺に気付かない。 さりげなくかけた「綺麗だね」という声に 首を大きく仰ぎ、俺を見た。 う。「可愛い」
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