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正月の朝
目を覚ました私は新年初の居間へ向かった
すると娘が妻の前で餅ではなくだだをこねているのだ
「やだ!こんなの着たくない こんなのいらない!」
「どうしたの?振袖着るのを楽しみにしていたじゃない」
「いらない!いらない!着たくない!」
娘のだだは止まらる気配もなく妻を困らせていた
父親の出番だと思った私は「欲しがるから買ってあげたのになんで着ないの!」と少し怒って見せたのだが娘は私をスルーした…
その振袖というのは先月家族でデパートへ行ったおりに娘が欲しいとだだをこねるので 大金を払い買った高価な振袖なのである
それに私は娘の振袖姿を楽しみにしていた そしてその姿を写真に収めようと写ルンですも準備していたのに…
しかし娘は着ないの一点張りである 一晩で一体何が起きたのであろうか?
私達家族は新年早々争いごとを避けるため 振袖を娘に着せるのは諦めて毎年恒例である近所の神社へ初詣に行くことにした
娘は安価なウニクロスエットへと着替えた
娘には正月など関係がないようである
きっとお年玉もいらないのであろう
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