一年前

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「もう、二人共そんなに固くならないの。未羽、この人は圭太さん。パート先で仲良くなった人で、近々お父さんになってくれる人よ」 「えっ…」 圭太さんが差し出した右手を呆然としながら握り返す。大きくてごつい手だった。 その日から圭太さんはちょくちょく家に来るようになる。 「正式にお父さんになるのはもう少し経ってからね」と言われたけど、私はお父さんが欲しいなんて思ってないし気まずいだけだった。
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