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クラス替えで離れた友達とはなんとなく距離ができる
廊下や水飲み場で逢った時なんかに
新しいクラスの友達と連れ立っていたりしたら気まずく感じる
小学校の頃にはもう身につける感覚
あるでしょう?
人とのつながりは自分のほんの一周り
狭い範囲で精一杯
手を握り合う人が多くても一日中握手ばかりしてはいられない
最初の人と真ん中の人と最後の人
いつまでも記憶に残るのは少ない
遠くても切れない手が本物で
それ以外は今だけそばにあるもの
買えば手に入る宝石より
遠くても消えない手は尊い
それ以外はもろい砂の塊と同じ
掴んでもさらさらとこぼれて
手に残るのはほんの少し
たくさんあると思ってたら消えてしまうもの
水飲み場で手を洗う石鹸が濡れて小さくなるように
手で包んでこすると縮んでいく
ちっぽけな石鹸のように
泡を掴んだものだから
たくさん掴んだと喜んでいても
それは砂を洗い流す時とともに消えてしまう
流せばさっぱりとしたてのひら
残るのはわずかな香りで
それだけが本物
この手に残るのはいつも
ほんの少しでもいい
残りさえすれば
それでいい
それだけがきっと
宝石よりも尊いもの
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