最後のアイラブユー

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ゆっくりと流れる車窓の景色を眺めて、右手にユウトに温もりを感じていた。チラリとその横顔を眺めていると、凛々しいその眉がへの字のように歪んでいるように見えた。 あーそんな顔をさせているのは、私なんだと思うと握られてる手を振り払いたくなる。けど、離せないのは私に迷いがあるからで、どうすればいいのか自問自答の繰り返し。 「なぁ、君がどうして俺に別れを告げようと思ったのか検討もつかないけど、俺と別れる事で君は幸せになれるの?」 幸せになるのは、私じゃなくてユウトなんだと伝えたくなるのを我慢して私はすまし顔でそうよと答える。 「私はユウトといない方が幸せになれるの」 急にブレーキが踏まれて、カチカチとハザードがたかれる。驚く前に目の前にユウトの身体があって、抱きしめられてるのに気付くのはすぐだった。 「ねぇ、俺と何年一緒にいると思ってるの?君の嘘なんてすぐに分かるんだから」
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