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どうしよう。向かい合わせに座った後も、脳内のピンクな妄想が止まらない。
「今日はどういったご相談で?」
身体の前で組む、少し骨ばった長い指が自分の身体を弄る所を想像しちゃうと、思わず息が荒くなっちゃう。
「あふん」とか変な声を出しそうになるのを必死で堪え、これまでの経緯を話した。
佐々木さんは時折、「ふぅむ」とかセクシーな吐息を漏らしながらも真剣だ。
一頻り、私が喋り終わった後、口を開いた。
「そうですね。私の見解も相談員の方が仰ったのと同じです。
早くアザが消えると良いですね」
「は、はい!」
「一刻も早くクーリングオフの手続きを取って下さい。
慰謝料は諦めて、アザを治す事に専念された方が良いですよ。
折角、キレイでいらっしゃるのに勿体無いです」
「はい♡」
「では以上ですね。
何かありましたら、気軽に相談にいらして下さい。
今月の相談会は私が担当する事になりましたので。
あと、これ、名刺です。
近くで法律事務所をやっております。
1日10分だけですけど、無料で相談にも乗りますので、良かったらどうぞ」
と、最高にステキな笑顔でオシャレなデザインの名刺を手渡してくれた。
……もしかして。これって運命の出会い!?
そうよ、きっとそう。
夫と別れて5年、その前もセックスレス5年。
通算、10年、ヤッてないけど。
夜な夜なエロスな嬌声を上げて過ごす日々も近いわ。
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