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冬とは思えない、抜けるような青空の下、とぼとぼ歩いていると、「あの」と声を掛けられた。
「いつもウチに来て下さっている方ですよね?」
顔を上げると、田中圭似のイケメン!
と思ったら、近所のお弁当屋の店員さんだった。
私の方は(イケメンだから)彼を覚えてたけど、まさか彼の方でも私を覚えているとは思ってなくて、驚いてしまう。
戸惑う私に気付いたのか、彼は頭を掻きながら言い訳みたいに呟いた。
「すみません。普段はお客様に声を掛けるとか、しないんです。
でも、何だかぼんやりしてるから、気になっちゃって」
……イケメンが私を気遣ってる!
イケメンが、イケメンが……。
そう思ったら、何だか色々込み上げてきて、「うわーん!!!」と人目も憚らず、大泣きしてしまった。
彼はかなり驚いたようだったけど、
「俺で良かったら、話、聞きますよ。
今日は時間あるんで」
と近くの公園のベンチまでエスコートしてくれた上に、いつの間に買ったのか、「はい」とかお茶まで手渡してくれた。
優しいぃ!!!!!!
ジーンとしつつ、佐々木さんと一緒に食べる積もりだったお弁当を開くと、イケメンは目を見張った。
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