38歳シングルマザーの私が韓流ドラマみたいな恋をした

本気だったのに……。

「えっ……。これ、全部1人で作ったんですか？　盛り付けも？？」

「ええ」

するとうーんと難しい顔をした後、

「ちょっと食べてみて良いです？」

とか言ってくる。
元から、その積もりだ。
頷くと、彼は、ほうれん草の出汁巻きを口に放り込んだ。

「スゲー美味い！！　この出汁、どうやって取ったんですか？」

「ああ、穴子の頭で。蒲焼を作ったから、勿体無いと思って。
良い出汁出ますよね」

「穴子の頭！　素人の発想とは思えないです。こっちの胡麻和えも最高っすね」

「……和食なら、料理上手のカワイイ女子感が出るかなって思って」

そう言うと、イケメンは苦笑いした。

「これ、俺はね。すげー美味いと思うけど。
フツーの男には、もうちょいガッツリした弁当の方がウケると思いますよ。
唐揚げとか、ハンバーグとか。そんなの」

「そっか……。じゃあ、次のターゲットにはハンバーグ弁当作ります」

お弁当、食べて貰えたとしても、微妙な反応だったかも。
しょぼんとしていると、何故かイケメンから熱い視線を注がれ、焦ってしまう。