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「ありがとう。…あ、オクラ!」
まず、オクラに箸を伸ばした私に、
「やっぱりオクラ…」
と、フッと目を細めて柔らかく微笑むナオ。
「……確かに、美結ちゃんにはすごく優しいよね、ナオちゃん。」
「うんうん、うちらと対応が全然違う。」
「……当たり前だろ。お前らに優しくする理由がない。」
「ほらぁー!美結ちゃん、ホントにいいの?こんな、裏表のある男で!」
「裏表じゃねぇだろ、心のままに素直に行動してるだけ。ほら美結、肉も食いなさい。」
そう言って、サンチュに巻いたお肉を、私の口元に運ぶ。
「えっ…あ、ありがとう。」
なんだか、照れくさくて頬が火照るのを感じながらも、パクっとそれを口に入れた。
その様子を見てた真帆ちゃんが
「…なんか、この光景…デジャブ?前にも見たような…」
「あーっっ!確かに!去年のバーベキューの時もナオちゃん、そうやって美結ちゃんに食べさせてたー!!」
ドキンっと胸が跳ねたのは、私もあの時のことを思い出していたから。
「さては…美結ちゃんに食べさせたくてあの時私の口に玉ねぎ押し込んだなぁ…!?」
「あ、バレた?」
そう言って笑うナオに、肉寄こせー!と杏ちゃんが詰め寄る。
その姿を見て杏ちゃんと2人、あははと笑い合う。
すごく…楽しい。
また、みんなとこんな風に笑い合って…楽しい時間を過ごせるなんて…。
まだ、夢みたい。
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