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「麗さんから修司にアプローチしたって…ホントですか?」
いつの間にか始まった、女子4人での恋愛トーク。
杏ちゃんが、麗さんに修司との馴れ初めを訪ねると、
「そうなの…私、修司の顔がね、めちゃくちゃ好みで!」
「ええっ…顔が!?」
「ちょっと杏、失礼だから。笑」
「あ、ごめんなさい。いや、別に修司がブサメンてわけじゃないんだよ?でも…今まで修司の顔が好みって人…あんまりいなかったから。」
慌ててフォローする杏ちゃんに
「あはは!いいのいいの、私、昔から友達と好きな人のタイプほとんど被らなかったから~!たぶん、人とちょっと違うんだと思う。ほら、あの、笑うと三日月形になる目がいいのよ~。それに、何でも言う事聞いてくれそうな所?」
ほぉ~と私たちは、ただただ頷くだけ。
「私さ、ドSなの。だから、俺についてこい!タイプはだめなのよね~」
はぁ~、なるほど…と真帆ちゃんがつぶやく。
網の前で集まって何やら盛り上がってる男子をチラッとみやると、チョイチョイ、と手招きをして、体を乗り出した麗さんに、私たちも身を寄せると
「修司ってさ、エッチ、下手じゃない?」
「……ブッッ…」
思わず口にしたビールを吐き出しかける。
「あはは!美結ちゃん大丈夫!?」
そんな…あけすけに…!
「そ、そうなの…?私たちはそこら辺は分からないけど…」
「まぁ、でも今まで付き合った人も少ないし…上手そう…ではないかもねー、修司、昔から不器用だし。」
そう言った杏ちゃんと真帆ちゃんの視線がこちらへ向けられる。
「…う…、えっと…そこは修司の名誉のために、ノーコメントで…」
私がそう言うと、
「やだ美結ちゃん!否定しないってことは認めてるのと同じじゃん!」
「アハハ!確かにぃ~!
「あっ…」
ごめん…修司。
「いいのいいの、だってホントの事だもん。だからね、今一から教え込んでるの。私好みに…育成中。フフッ」
そう言って、得意げに笑う麗さんに、私たちは言葉も出せず感心するばかり。
なるほど…自分好みに育成…
すごいな、麗さん。
私にはできないや…
やっぱり修司には、麗さんみたいな人がお似合いなのかも。
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