想いの行方

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「あ〜、楽しかった!」 駅からの道をナオと手を繋いで歩く。 今日も、バーベキューの後は駅まで長谷川さんに送ってもらい、電車を乗り継ぎナオのマンションの最寄駅で降りた。 「修司と麗さん…お似合いだったね。」 「だなー、何か…ホッとした。やっぱ心の何処かに罪悪感あったから…」 「うん…。」 麗さんが、猛アプローチしたとは言え、修司も麗さんに惚れてるのが見てて伝わってきたから…あの2人は上手くやっていきそうな気がする。 そうであって欲しい。 「去年も…ナオと2人で歩いたよね…電車、降りずに私の家まで送ってくれて…」 「あー、美結が変な奴に襲われたら一生後悔するから、なんて言ってたけどなー、ただの口実。もちろん心配だったけど…どうにかして、少しでも美結と一緒にいたかったんだよ。」 そう言って、フッと笑って目線だけこちらに向けるナオくんの横顔に、トクンっと胸が跳ねる。 「私も…すごくドキドキして…もっと家が遠かったら良かったのに…って思ってた。」 私の言葉に、バッと顔を向け、 「えっ!?そうなの…?美結も…そんな頃から…?」 と、目を丸くした後、クシャッとその顔がみるみるうちに緩んでいく。 その表情にも、キュンと心臓が高鳴った。 「ナオは…私のタイプドストライクでね…初めて会った時から…カッコいいなぁって…だからいつも、ときめいちゃうのを抑えるのに必死だった。」 こんな事言うの、すごく照れる。 照れるけど…想いを隠して押し殺す辛さを知ったからこそ、気持ちはちゃんと言葉にして伝えたい。 恥ずかしくて、ナオの顔が見れずに足下に視線を向けていたけど、 「……………………。」 反応のないナオに思わず顔を上げると、その瞬間、グイッと繋いでいた手を引かれ、そのままギュッとナオの腕の中に閉じ込められた。 「ナ、ナオ…?」 「ヤバい。嬉しすぎてたまんない。美結は、修司の彼女で…だから、もしかしたら俺の気持ちに気付いて困ってるかも…とか、迷惑なんじゃないかって、思った時もあったから…」 トクン トクン トクン 「…………け、軽蔑しない?彼氏がいるのに他の人にときめいてたなんて……」 私がそう零すと、そっと体を離し、私の目をじっと見つめ  「その相手が、俺ならいい。後にも先にも…俺だけなら…」 そう言って目尻を下げ、愛おしげに私の頬を優しく包んだ。 「うん、うん…ナオだけ。こんなにときめくのも、好きで好きで仕方ないのも、ナオだけ、だよ。」 「美結…」 そっとナオの顔が近づいてきたその瞬間、パァッ…と眩しい光に照らされた。
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