スウィートタイム

5/5
前へ
/5ページ
次へ
 ────目が覚めた。僕は布団にくるまっている。体を起こして周りを見渡す。見えるのはいつも通りの自分の部屋だった。チョコレートでできた悪魔なんて、どこにもいなかった。  あれは夢だったんだろうか。それにしてはやけに鮮明な夢だった。  ふと、口の中が気になった。口の中にあったのはチョコレートの味だった。夢の中で食べたモノと同じ、悪魔の甘味。  なんだか悪い気はしなかった。むしろ身体中がスッキリとした気分だ。もしかするとあの夢は吉夢だったのかもしれない。  爽快な気分に浸りつつ。僕はそそくさと顔を洗いに、部屋を出た。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加