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(Side:???)
先ほど上がった、生徒会長親衛隊隊長の工藤雄偉[クドウ ユウイ]その人である。
過去最大規模だと言われている会長の親衛隊を束ねているだけあって、相当の実力の持ち主である。
自身にも親衛隊ができそうな容姿をしている、いかんせん性格が性格なため、いまだに結成はされていない。
その親衛隊隊長様のよからぬ噂を耳にしている一般生徒たちは彼に逆らうことは決してしない。
視線を感じなくなったからか、フと会長様の視線が階下へと降りてきた。
目を合わせて笑みを浮かべる隊長に対し、柔らかい笑みを見せる会長。
ヤバ……
視界に入ってしまった生徒諸君、ご愁傷様。
彼らは食事をそのままに食堂から出て行った。
トイレにでも直行したのだろう。
それを鋭い目で睨むのはもちろん隊長様。
いやいやいや。
今のはノンケの僕でもやばかったって。
上では副会長様が会長様に何かを言っている。
嫉妬か!?
それを笑顔で収める会長様。
もう女神……
「だから……」
ぼそりと聞こえた声は、先ほどの静かな声と同じものなのに、とても冷たく聞こえた。
温度のないその声の主を盗み見れば、そこには先ほどの笑みはどこへやら、無表情の工藤雄偉が。
コワ。
こちらも嫉妬ですな!
でも、その嫉妬は、副会長がしているような可愛らしいものではなくて。
背筋がヒヤッとするような。
どこか危ない嫉妬。
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