第1話 やってきた転入生編

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【今どこ?】 それだけ送られてきたメッセージに、こちらも端的に返す。 【食堂】 既読マークはついたものの、一向に返事は来ない。 既読スルーってやつだな。 俺らの会話などこんなもんだ。 うん。 そうこうしてるうちに注文は終わったようで、洸の腕がスッと俺の前を通り、タブレットを定位置に戻した。 何がくるのか楽しみである。 「一体」 と、何を頼んだのか尋ねようと口を開いたのだが、それは来客によって無念に終わった。 全員の視線がそちらを向く。 もちろん階下の視線もバッと入口を捉える。 怖ッ 誰かが息をのむ音が聞こえた。 それだけ、今この空間は張り詰めている。 「揃って食事なんざ、暇でいいな、生徒会御一行様はよ」 「まぁ、貴方達と違って、我々はもう直近の仕事は終わらせてありますので」 嫌味な言い方をした男に対し、同じように嫌味で返す洸。 突っかかってきたのは、風紀の委員長。 俺自身アイツに対して嫌いっていう感情はないのだが、いかんせん洸とよくぶつかるのだ。 どうやら風紀は我々生徒会が気に入らないらしく、度々こうやって喧嘩をふっかけてくる。 そりゃぁ周りに犬猿の仲だと言われても仕方がないよね。
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