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(Side:洸)
風紀委員長の大堂と言い合いをしていると、背筋に悪寒が……
何かよからぬ噂をされているような。
食事が運ばれてきたことで大堂との言い合いは自然と幕を閉じた。
風紀の2人はそのまま私の後ろを通り、奥の空いた席へと向かう。
私の後ろを通るのだから、隣に座る庵の後ろも通るわけで。
お互いの存在を確認するように目を合わせたのも一瞬。
口を開くことなく無視を決め込んだ。
言い合いというコミュニケーションができている分、私はまだましなのかもしれない。
庵ときたら、必要最低限しか会話をする気がないようである。
この2人が会話をしているところは特に見かけることはない。
『嫌い』だとか『嫌いではない』だとか、大堂に関してそういう会話すらしたことがないため、庵が彼をどう思っているのかはわからないが、関わるつもりがないことは明らかだ。
風紀の副、皇一颯も兄である庵と会話をしているところはあまり見かけない。
一颯が実兄の所属する生徒会ではなく風紀に所属しているということがその仲を現しているのかもしれない。
本当のところは良くわからないが。
兄弟の関係に私が口を出すというのもおかしな話である。
「実際のところさぁ~~~、庵くんと弟くんは仲悪いの~~~?」
って、私が口を慎んでいるのになぜその話を振るかな、貴方という人は。
空気の読み方を知らない瑠衣をこの場で咎めることもできない。
共に食べていた役員の後輩たちも興味があるようで庵に注目している。
そりゃ、私だって興味がある。
でも……
「いや、別に」
その短な返事は、まるで『興味がない』とでも言っているようだった。
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