prologue

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(Side:???) 私立東泉学園。 そこは我が同士なら誰もが羨む学園。 金持ちや顔が良い王子様のような男がゴロゴロと通うその学園は、山奥にある全寮制男子校。 なかなか外との接触がないため、ホモやバイが9割を占め、ノーマルと呼ばれる残りの1割は肩身を狭く暮らしている。 かくいう僕自身、男同士のニャンニャンには大いに興味はあるものの、その残りの1割に該当するのだが。 そんな東泉学園のトップに君臨するのは…… そう、我が同士ならもうお分かりだろう。 生徒会御一行様である。 今もこうして大騒ぎの中、入学式にて生徒会紹介という名の挨拶が行われているわけだが、そこにこの学園一番人気のお方がいらっしゃらない。 おや、これはまさか……ニヤニヤ 挨拶は下の位からしていくらしい。 「あんじょ、た、すく。しょ、き」 なんだかよくわからない言葉を発したのは書記の安城弼。 え、マイク渡しちゃったけど、それだけでいいの? 一番端でお母さん怒ってますよ…… まぁ、無口ワンコ属性だからな。 仕方あるまい。 「書記の片平春でーーーす!よろしくね☆」 「会計の片平夏です」 次に自己紹介をしたのは双子。 王道とは少し外れているのが惜しい。 仲はいいし、瓜二つの顔をしているのだが、いかんせんこの2人。 似せようとしていない。 だから、役職も別だし、髪形や性格も違う。 髪をハーフアップにした、チャラ男寄りの明るい性格な兄、春。 きちんとポニーテールに結いて、オカン寄りな落ち着いた性格の弟、夏。 あぁ、なんと惜しいのだろう。 だがしかし、同士よ。 諦めるのはまだ早い。
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