prologue

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(Side:???) 「どぉも~〜〜、会計の糸井瑠衣だよ~~~~!」 次に挨拶をしたのはアイドルのように手を振る会計。 明るい髪をピンで留めたその姿はまさにチャラ男。 黄色い声が場内(体育館だが)を包み込む。 セフレが多数いて、毎日遊んでいるという噂は、もはや噂ではない(と思いたい)。 萌えのご提供、毎度ありがとうございます。 「副会長の澤邊洸と申します。新入生の皆さん、よい学園生活を送って下さい」 その王子様スマイルで倒れた人間はどれくらいいただろう。 だがしかし、知る人は知っている。 いや、我が同士ならわかるだろう! 「会長は、ただいま…「もしかしてお楽しみちゅ~~~??」」 「碌なことは言うもんじゃありませんよ、瑠衣」 はい。 この方、魔王様属性です。 腹黒王子様です。 会長がこの場にいないってだけできっと不機嫌なのに、会計のその言葉でブワッと黒いオーラが駄々洩れです。 「そうだぞ、瑠衣。俺は男には興味ないって言ってるだろ」 副会長のブリザードに静まり返った会場に、ゆっくりと歩いてきた男の綺麗な声が響く。 誰もが聞き惚れるその声の主は、そのまま副会長の隣まで歩くと、目線だけでマイクを受け取り視線を一般生徒へと向けた。 言葉もなしにマイクを受け渡すなんて、信頼関係のなせる技ですね! まさに夫婦ですね! 会長×副会長ですか!? ごちそうさまです。 「新入生の皆、東泉学園へようこそ」 誰もがその声に聞き入って。 誰もが目に焼き付けた。 この学園のトップ、憧れの存在である生徒会長、皇庵の姿を。 しかし残念だ。 非常に残念だ! 壇上で会場中のすべての人間を魅了した生徒会長、皇庵は。 先ほど本人も言っていた通り、残りの1割、ノーマルであると公言しているのだ。 そして何よりも残念なのは、王道学園にあるべき俺様会長ではない、ということ。 まぁ、仕方あるまい。 きっとこの学園では、非王道な物語が始まるのであろう! 以上、腐男子でした!
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