第3話 スポーツ大会編

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歓迎実習が終われば次にやってくるのは、スポーツ大会。 クラス対抗で各競技を行うものだが、これに関しては主催が体育委員になっているため、こちらは特に仕事という仕事はない。 どちらかというと、クラスの方に入って楽しむことができる数少ない行事だ。 競技はというと、バスケ、バレー、サッカー、テニス団体などの有名どころに加えて、剣道の団体という、なかなか高校のスポーツ大会では行われない競技も含まれている。 クラス対抗ということで、盛り上がるクラスも多く、例に漏れず俺のクラスも競技決めの段階から盛り上がっていた。 「去年は」 「だから、今年こそ」 そんな声が聞こえるのは、このクラスはクラス替えがなかったから。 2年ながら優勝した種目もあれば、惜しくも優勝を逃した種目、入賞すらしなかった種目もある。 今回の目標はどうやら、3冠らしいので、どうやって種目組をするか、で論争が繰り広げられているのだ。 去年と同じメンバーでリベンジを、と燃える奴がいれば、去年と同じだと勝てないから、アイツとコイツをトレードしよう、だの言っている奴もいる。 「で、皇はどうしたいわけ?」 ただ今その標的にされているのが俺。 俺は別になんでも…… モメるなら去年のままでいいし。 その旨を伝えれば、ガッツポーズをする奴と肩を落とす奴に反応が分かれた。 「皇が言うならそうだな」 いやいや、俺に決定権ないから。 お前がちゃんと仕切れよ、体育委員。 ほら、クラス委員長が舌打ちしてるぞ。 「変えたい奴らの意見もちゃんと聞いた方がいいと思うけど?」 それで決定しそうな流れになってしまったので、気まぐれ程度に意見をしてみた。 「そ、そうだな!はい、意見ある人!」 数分の討論の後、やはり今年は変えずにいくことになったらしい。 チームワークを考慮した結果だ。
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